「大好きな友人たちと仕事で関わりたい」企画営業職 有田さんの"仕事の原点"

しごと
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SNS上で活躍するクリエイターを起用した広告を手がける会社。その会社で企画営業を務め、現在は部下のマネージメントまでを担っているのは、自身もライフスタイルやその感性が注目を浴びる有田紗世(アリタ サヨ)さん。
「イラストレーターや漫画家などのクリエイターを起用し、こういう広告を作りませんか? と企業へ提案したり、クリエイターごとの特性や条件面の違いといった、分かりやすくテンプレート化できない仕事をどう進めるかを後輩に指導したりと、現場とマネージメントを行き来する日々です」。
大好きなクリエイターが経済的に自立するために、どうやって社会と繋がる仕事を作るか? この発想には、有田さんの友人にデザイナーやイラストレーター、カメラマンが多いことが大きかったという。
「もともと関西出身で、友人にクリエイターが多かったんです。あと、新卒で入社した百貨店では週替わりのポップアップイベントを担当していて、毎週新規のブランドさんと会う稀有な体験をさせていただきました。物作りの人たちと日々接するなかで尊敬の念が増し、将来は大好きな友人たちと仕事で関わりたいと思うようになって」。
でも、自分はイラストを描けるわけではなく、写真が撮れるわけでもない。そう思った有田さんが自身の強みとして考えたのが、関西仕込みの “喋り” だった。
「小さい頃からお喋りが大好きなんです。だから、私にできることはこれだ! と(笑)。このスキルを活かして友人たちにお仕事を持っていけるのは、広告業だと結論づけました」。
かくして、某IT企業の営業に転職。そこで1年半の営業を経験し基礎を叩き込まれたあと、“クリエイターのために” という目線が強く、社長のビジョンに共感できると感じた今の会社に転職したのだという。現在は部下のマネージメントを担当している有田さん。仕事上、コミュニケーションを取る際に意識していることはあるんでしょうか?
「コロナ禍のリモートワークでメインツールはSlackになり、テキストコミュニケーションが圧倒的に増えました。なので今は、『コミュニケーションを放置しないこと』と『誰が見える範囲で発言するか』を意識しています。褒めるときはみんなが見ているチャンネルで、指摘は個人宛てに。オープンな場で指摘する必要があっても、あとで『こうしてほしかったから、ここでこう言った』と理由を明確に伝えるようにしています。オンラインだからこそ、逆に個人のフォローはしやすいのかなって思いますね」。
オンラインの不自由さを逆手に取ったコミュニケーション。それでは、『誰が見える範囲で発言するか』でも意識していることはありますか?
「上司が入っているチャンネル、私と部下しかいないチャンネルという形で人を絞り込んだチャンネル作りをしています。後者を使って『ぶっちゃけ今どう思ってる?』とか、『あそこで指摘されてたけど、どう思った?』など、部下も言いにくいことをそのチャンネルでなら伝えてくれるので、意図的な絞り込みで心理的な安心感に気をつかっていますね」。
ささいなことを拾いづらいコロナ禍のリモートワークは、仕事内容に限らずマネージメントの点で課題が数多くある。オフィスに通っていたときをどうオンライン上で再現するか、参考になる点が多そうだ。そんな有田さん、仕事が上手くいかなくなったとき、こんな言葉を誰かにかけてもらって考え方が変わったとか、自分はこんなことをしてみたら流れが変わってきたとか、そんなことってありますか?
「なにがうまくいっていないのかを箇条書きでひたすらメモに書き出してみます。複数出てきたら理由をそれぞれ、どうしたら改善できるのかの仮説と、そのためになにをすべきかを考えて横に書いていきます。行動をできるだけ自分が取り組めるものまで細分化して落としこむことで、タスクにして解決までもっていくことを意識していますね」。
頭でふわっと考えていたことも、紙に書き出してみるとクリアになることがある。文字で書き目で確認することは、大事なポイントになりそうだ。
「でもでも、単純に家で料理を作ったり、掃除が大好きなので隅々まで拭き掃除をするのも良いリフレッシュになっているかなって。他に何も考えず黙々とできるので、頭の切り替えに良いですよ」。
クリエイターのための広告会社で、現場とマネージメントを両立して頑張る有田さん。現状は漫画家の広告を作ることが多く、もっと広い業界で通じるビジネスモデルを作っていきたいんだとか。家事や料理を息抜きに、いつかの友人とのお仕事のため。彼女の奮闘はこの先も続く。
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取材は感染防止に注意して行っており、撮影・食事の際のみマスクを外しています。インタビュー内容は、取材当時の情報です。
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